Yarakuzen
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2024 年 5月 28 日

医療の翻訳実務における課題と解決策

医療機器メーカーや製薬会社など、医療関連企業においては、直接的な生命への影響は少ないかもしれませんが、情報の正確な伝達は不可欠です。特に国際取引が多い場合、適切な翻訳業務は極めて重要です。今回は、医療関連企業における翻訳実務の問題点を3つ挙げ、それらの解決策についてご紹介します。

 

【目次】

 

この記事では、実際に医療翻訳の現場で働いていたAさんの経験をもとに、会話形式でお伝えします。


 

 

①機密情報の取り扱い

やらくさんの知り合い(以下、Aさん)「うちの会社では、医療機器の注射針を作っています。顧客は7割以上が海外で、送られてくる新しい製品の開発に関する仕様書や図面を翻訳する作業がほぼ毎日あります。特に営業部は忙しいので、無料の翻訳ツールを使って手早く済ませ、工場に流すことが多いんです。

問題は、NDA(秘密保持契約)を結んでいるにもかかわらず、無料ツールを使用してしまうことでした。去年、そのツールを使ったことで未発表の製品情報が外部に漏れてしまいました。その結果、競合他社に製品の詳細が知られてしまい、法的な問題にまで発展しました。これは本当に大きな問題で、企業の信頼性にも影響しました。」

 

やらくさん「それは深刻な問題ですね。まず、無料翻訳ツールはセキュリティ面で不安がありますから、機密情報を取り扱う際には注意が必要です。医療業界に限らず、実際に他社でも無料翻訳ツールを使用したせいで、情報が漏れてしまったという事例※が多々あります。まずは従業員に対して、機密情報の取り扱いに関する教育を徹底することが大切です。また、自社で翻訳ツールを利用する際には、プライバシーポリシーを十分に確認し、データ保護が信頼できるサービスを利用することが重要です。これにより、情報漏えいのリスクを最小限に抑えることができます。」

(参照:翻訳サイト経由で情報漏洩、「利用禁止」だけでは解決しない

 

セキュリティ面の課題・問題点

  • 無料の翻訳ツールを使うことで情報が漏洩してしまうリスクがある。

 

セキュリティ面の解決方法

  • データ保護が信頼できる翻訳ツールやサービスを利用する。
  • 従業員に対して機密情報の取り扱いに関する教育を徹底する。

 

 

②社内外での用語理解の不一致

Aさん「当社の工場では、技術が進化すると共に最新の機械を導入し、製造できる仕様も増えていきます。例えば、新しいパイプの加工技術が開発されると、その分新製品が追加され、新しい用語がどんどん増えていきます。また、海外の顧客から見たことのない針の形状の図面が送られてくることが多いのですが、各担当が独自に翻訳するので、同じ形状に異なる名前をつけてしまうことがあります。

例えばBさんが『細径パイプ』と翻訳したものを、Cさんは『ナノチューブ』と翻訳するなど、社内で用語の不一致が発生してしまいます。これが原因で、情報共有やコミュニケーションに混乱が生じることがよくあります。特に医療業界では、新しい技術や情報が次々とアップデートされるため、このような問題は頻繁に発生します。」

 

やらくさん「なるほど、それは大きな問題ですね。解決策としては、まず社内で用語の統一を図るための用語集を作成することが有効です。この用語集を定期的に更新し、全員に共有することで、最新の情報を一貫して理解できるようになります。また、定期的にミーティングを行い、新しい用語や技術についての情報を共有し、社内全体での理解を深めることが重要です。さらに、用語集を社内外で共有することで、顧客とのコミュニケーションもスムーズになります。医療業界では情報のアップデートが常に必要なため、こうした取り組みが欠かせませんね。」

 

用語理解の不一致による課題:

  • 新製品や新技術の登場に伴い、新しい用語が増加することで、社内で用語の不一致が発生し、情報共有やコミュニケーションに混乱が生じる。
  • 異なる担当者が同じ形状や技術に対して異なる名称を使用することで、混乱が増す。

 

用語理解の不一致による課題の解決策:

  • 用語集を作成・更新し、定期的に共有する。
  • 定期的なミーティングで情報共有を行い、社内外での統一を図る。

 

③訳抜け・誤訳から発生する社内外のミスコミュニケーション

Aさん「翻訳業務で一番厄介なのは、誤訳や訳抜けです。うちの会社では、海外の顧客から営業部に送られてくるメールを全て翻訳し、他部署に情報共有しています。翻訳は、営業担当ではなく、専門の担当者がいます。問題は、翻訳者が顧客の意図を正確に理解せずに翻訳した結果、誤訳が多発することがあります。そのせいで、営業担当が再度翻訳を修正し、他部署に説明する二度手間が発生します。また、誤訳によって製品の仕様を誤解し、誤った製品を製造してしまうこともありました。材料も購入し、製造工程も全て組んだ後に発覚しました。

さらに、翻訳ツールを使った際に、大事な数字や細かい情報が抜け落ちることが多々あります。それは営業担当が事前に気づいたのですが、そのまま進めてしまうと大きなトラブルになりかねません。」

 

やらくさん「そのような問題を防ぐためには、翻訳品質管理を強化することが重要です。まず、翻訳プロセス全体を見直し、チェック体制を整えることが必要です。具体的には、翻訳者が翻訳した内容を営業担当がレビューする仕組みを導入することです。これにより、誤訳や訳抜けのリスクを減らすことができます。また、機械翻訳を使用する際には、出力された翻訳文を必ず人間が確認し、重要な情報が抜けていないかチェックすることが重要です。このように、二重チェック体制を整えることで、正確なコミュニケーションを確保し、ミスコミュニケーションを防ぐことができます。」

 

ミスコミュニケーションの原因:

  • 翻訳者が顧客の意図を正確に理解せず、誤訳や訳抜けが発生する。
  • 翻訳ツール使用時に重要な数字や細かい情報が抜け落ちる。

 

ミスコミュニケーションを円滑にする方法:

  • 翻訳者が顧客の意図を正確に理解せず、誤訳や訳抜けが発生する。
  • 翻訳ツール使用時に重要な数字や細かい情報が抜け落ちる。

 

 

医療翻訳の課題を解決する3つの方法

医療機器メーカーや製薬会社など、医療関連企業における翻訳上の問題は深刻です。機密情報の漏洩や翻訳の不正確性は、企業の信頼性を損なうだけでなく、時には法的なトラブルにまで発展しかねません。さらに、医療業界の急速な変化に対応するためには、用語の一貫性やコミュニケーションの円滑化が不可欠です。

このような課題を解決するのが、AI自動翻訳プラットフォーム「ヤラクゼン」です。ヤラクゼンは、従来の自動翻訳ツールにはない機能を備え、医療関連企業の翻訳業務を劇的に改善をサポートします。

 

セキュリティが担保された自動翻訳を使う

翻訳文書に機密情報や個人情報が含まれる場合、セキュリティが確保された有料の翻訳ツールの利用を推薦します。ヤラクゼンの企業プランでは、翻訳された文章を二次利用することはありません。これにより、機密性の高い情報や企業内で重要な文書に対して自動翻訳を安心して利用できます。

また、Google翻訳は無料で利用できますが、セキュリティが十分ではありません。一方で、ヤラクゼンではGoogle翻訳ツールをセキュリティを担保しながら翻訳エンジンとして使用することができます。具体的には、以下のようなセキュリティ対策が施されています。

 

すべての通信はSSLを使用して暗号化されており、24時間365日のシステム監視で安全性が確保されています。定期的な脆弱性テストとファイアウォールによって、不正アクセスの防止対策も万全です。

さらに、ヤラクゼンは国際基準であるISO/IEC 27001:2013の認証を取得しており、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に基づいて運営されています。データの保存と管理はプライベートクラウドで行い、セキュリティを強化しています。

 

これらのセキュリティ対策により、ヤラクゼンでは企業の機密情報や個人情報が含まれる文書を安心して翻訳できる環境が整っています。

参照:ヤラクゼンのセキュリティ体制

 

用語集・フレーズ集の利用

 

(参照:日本で生まれた「痛くない注射針」~メーカーと町工場の真心こめた開発秘話

 

ヤラクゼンでは、用語やフレーズを登録して翻訳の精度を向上させる機能があります。特定の用語やフレーズが出現した際には、それらを用語集に追加したり、事前に指定した翻訳を自動的に適用することができます。これにより、社内の用語の統一性にもつながります。

 

特に医療業界といった専門分野の文章や単語は、一般的な自動翻訳では正確な翻訳が難しい場合がありますが、ヤラクゼンでは用語集やフレーズ集に登録することで、専門用語や固有名詞の正確な翻訳が可能となります。
また、用語やフレーズの登録は簡単で、一度登録すれば次回からは自動的に学習した用語が使用されます。

 

コラボレーション機能

ヤラクゼンのコラボレーション機能では、従来一人で進めていた翻訳作業を複数の人が同時に行うことができます。例えば、翻訳後の内容を営業担当者に確認してもらったり、依頼者と翻訳者が共同で最終確認を行ったりすることが可能です。このように社内で協力して作業を進めることで、翻訳の精度と効率が大幅に向上します。さらに、共同編集された翻訳データは次回の翻訳作業に再利用されるため、より高品質な翻訳が実現できます。

 

まとめ

医療関連企業において、情報の正確な伝達は極めて重要です。特に国際取引が多い場合、適切な翻訳業務が求められます。しかし現実は、翻訳の不正確性や機密情報の漏洩、用語の不一致などの課題が存在します。これらの問題を解決するためには、用語の統一や社内での協力体制が重要です。適切なツールやプロセスを導入することで、翻訳業務の効率化と正確性の向上が期待できます。

また、医療関連企業にとって翻訳業務を安心して行うためには、セキュリティの確保が不可欠です。翻訳された文章の二次利用を防ぎ、機密情報を守ることが求められます。こうした条件を満たすツールやサービスを選び、効率的かつ安全に翻訳業務を進めることが企業の信頼性を維持する鍵となります。

 

ヤラクゼンのカンパニープランでは、翻訳にかけた文章を二次利用することはありません。これにより、ビジネスメールや社内の重要な資料などで自動翻訳を利用したい場合でも安心して使用できます。自社の情報を保護しつつ、効率的な翻訳サービスを活用するために、是非ヤラクゼンのカンパニープランをご検討ください。

 

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WriterTeam

この記事の執筆者:Yaraku ライティングチーム

翻訳者や自動翻訳研究者、マーケターなどの多種多様な専門分野を持つライターで構成されています。各自の得意分野を「翻訳」のテーマの中に混ぜ合わせ、有益な情報発信に努めています。