Yarakuzen
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2015 年 4月 27 日

【コラム】村上春樹と翻訳①

こんにちは。八楽の森谷です。

前回の更新で告知するのをすっかり忘れていましたが、先週の金曜日に本サイトの更新が一旦完了しました!
これで完成ではなく、今後はクライアント様の事例を追加していく予定ですので、ご期待くださいませ。

さて、本日のテーマは「村上春樹」について、です。
言わずと知れた大作家について前後編でお届けします。

村上春樹と翻訳①

村上春樹は、言わずと知れた日本を代表する作家です。
ヒット作は数知れず、作品は映画化やドラマ化もされています。ノーベル文学賞にも複数回ノミネートされ、「今年こそ取るのでは」と毎回期待されています。

村上春樹が日本を代表する作家と言われる理由の一つは、海外での人気も大変高いことです。作品はさまざまな言語に翻訳され、たくさんの国々で出版されています。
また、彼がアメリカ文学翻訳家であり、翻訳した作品がまたヒット作となることも、他の作家にはない特徴と言えるでしょう。名作を彼なりの翻訳で読めるため、村上春樹のファンならぜひ読んでおきたいものです。

村上春樹自身は、メディアへの露出がほとんどないため、その人物像を知ることはなかなか難しいと言えます。メディアに出ない理由については、「アルバイトでさんざん人と話したからもういい」というコメントを出しています。

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村上春樹作品の特徴は、その独特な世界観にあります。
現実でもファンタジーでもない視点からストーリーを組み立てているのです。

また、読みやすい文体でありながら、ストーリーは難解というのも大きな特徴です。彼自身これを狙っており、とっつきやすいと思わせてまずは読んでもらい、読者に考えてもらうことを想定しています。
ストーリーが難解であるがゆえに、「もう読みたくない」と言う方もいますが、「何度も読み返して意味を知りたい」と言う方が多くいます。
実際にたくさんの方がその世界に引き込まれ、登場人物の心の葛藤とのシンクロを楽しんでいるからこそ、立て続けに作品がヒットしているのでしょう。全作品を読破する人は後を絶ちません。

村上春樹の長編小説は、デビュー作の「風の歌を聴け」をはじめ、話題になった「1Q84」や最新作の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」まで数多くが翻訳され、諸外国で出版されています。
翻訳された言語も、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ロシア語・中国語など、非常に多岐にわたっています。名作「ノルウェイの森」は、34もの言語に翻訳されました。また、長編小説に限らず、短編小説が翻訳されることもしばしばあります。

海外には、村上春樹作品に出会い、その文章を原文で読みたいと日本語を勉強する方が多くいると言われています。また、「1Q84」の出版時には海外でのサイン会も行われ、大変多くの人々が列をなしました。
村上春樹の作品を待つ人は世界中にいるのです。
海外でこれだけ評価されるグローバルな作家は、世界的に見ても稀であると言えるでしょう。



いかがでしたでしょうか。
古典以外で、34言語に翻訳される作家は確かに世界中を見渡しても稀でしょう。
そんな作家が同時代にどんどん作品を発表し続けてくれているという幸せを感じながら、私も著作を楽しみたいと思います。