Yarakuzen
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2015 年 5月 12 日

【コラム】通訳と翻訳の違いとは?

こんにちは、八楽の森谷です。

本日のテーマは「通訳者と翻訳者の違い」です。
どちらも外国語を専門的に扱うということで、一般的に割りと一緒くたにされがちなこれらの職業。
しかしその実、それぞれにおいて求められる技能は結構異なるようです。


「通訳者」と「翻訳者」

翻訳者に必要なスキルとはなんでしょうか?
まずそもそもですが、2つの言語に精通していなければなりません。とは言うものの、外国語の基本的な知識だけでは不十分です。
翻訳者の仕事の特徴を知りましょう。
要は、翻訳者が何をしているのか、どこにいるのか、いくら稼いでいてどんな教育を受けているのかを知る、ということです。
話す言葉であろうと原稿であろうと、ある言語から違う言語へ変換するのが翻訳者の仕事です。しかし、彼らはただ言葉を他の言葉に置き換えるだけではありません。変換し置き換えるものの中には、概念や考え方も含まれます。翻訳者には、その仕事に関係する主題についての広い知識が必要です。さらに、彼らは翻訳先の言語を使用する国に関連するあらゆるものに対して、常にオープンでなければなりません。

翻訳と通訳には多くの共通点があるため、一緒くたに語られがちです。この記事における1つの目標は、話し言葉を対象とする通訳と書き言葉を対象とする翻訳の相違点を示すことです。
確かに双方とも、言語のコンビネーションさせる、ともいうべき特別な能力を有していなければなりません。その能力が、母国語と外国語という少なくとも2つの言語を容易に話したり書いたりすることを可能にするのです。
しかしそれでも、通訳と翻訳は2つの違った職業です。それぞれの職業は一組の技能と能力を必要とし、多くの人々はどちらかの型にかたよっています。通訳は2つの言語に関し同じぐらいの重きを置きますが、翻訳は通常、自分の母国語の占める割合が多いものです。

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口頭で行われるスピーチの通訳者は、普通はスピーチをある言語から別の言語へ変換します。通訳では話者の考えを明確に表現する能力と同様に、より高い注意力と進行中の話題を双方の言語で理解する能力が求められます。分析能力とリサーチ能力、機知に富んでいる事、そして驚異的な記憶力が必要です。

通訳の仕事は職場に着く前に始まります。彼らは議論のトピックに精通している必要がありますし、頻繁に使用する単語やフレーズのリストを作っておく事も求められるかもしれません。
そのような準備を整えてから通訳者は現場へ出掛けるのです。
電話で通訳を行う場合など、その種類によっては現場にいなくても良い事があります。それでもやはり、通訳者が実際に話者と会い、彼らのコミュニケーションを見聞きする機会を持つということが重要です。

通訳には二つの種類があります。
同時通訳と、逐次通訳です。
通訳において、通訳者は聞くことと翻訳することを同時に行います。話者が文を話し終える前にはもう翻訳を始めます。理想的に言えば、通訳者は議論の主題における立ち位置を確認し、文末を予測できるようにしなければならなりません。大変な集中力が必要なため、通訳者たちはペアで作業をし、20分から30分ごとに交代するのが一般的です。
この種の通訳は国際会議で用いられ、時として法廷でも使われることがあります。
同時翻訳と対照的に、逐次通訳は話者がいくつか単語や文章を発した後からしか始まりません。逐次通訳者は、会話中に頻繁にメモを取ります。

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書面の言葉を対象とする翻訳者たちは、印刷された素材をある言語から別の言語に置き換えます。彼らは文才とすぐれた分析力を備えていなければならず、同時に編集のスキルも必要とされます。
翻訳の仕事は、規模、スタイル、テーマなどによって異なります。一般に翻訳者は、原文を受け取った後、本旨の確認のために原文を読むことから着手します。そして翻訳者は知らない単語を見つけ、その意味を辞書で確認するのです。もし原文中に、翻訳者にとってよくわからないことがあれば、そのトピックに関連する情報を探すことがあります。

翻訳は、単純に外国語の単語を母国語の同等単語に置き換えるという行為以上の何かです。文章と思考は、物語の論理が崩れずに、まるで翻訳文が初めから対象言語で書かれていたかに見えるようなやり方で、練り上げられるべきです。
要するに、翻訳者はあらゆる意味で翻訳先言語に精通していなければならないのです。いくつかのトピックは、言葉の多義性やテキストの文脈において複数の解釈が可能であることにより特に翻訳が難しい場合があります。最終版の承認までに、翻訳されたテキストが繰り返し改訂されていることは驚くべきことではありません。

ヤラクゼンによる翻訳


 

いかがでしたでしょうか。
似たようなイメージを抱きがちな通訳者と翻訳者ですが、求められる技能が全く違うのですね。
通訳といえば、東京オリンピックに向けて通訳案内士の需要がかなり高まっているみたいですね。
このままのペースでは2020年時点で十分な資格者が集まらなさそうらしいので、興味とやる気のある方は外国語の勉強がてら挑戦してみてはいかがでしょう?