2015 年 8月 25 日
【コラム】八楽インターン女子大生のブログ4-海外で日本語で話しかけられることについて-
こんにちは、八楽の佐藤です。
皆さんは海外で、出会った日本人以外の人に日本語で話しかけられたことはありますか?
フレンドリーだな、よく知っているな、と、良い印象を持ちますか?
私はあまり良い印象を持ちません。
日本で、海外から来たであろうと思われる方に英語で話しかけることに対しても同様です。
これは、スウェーデン留学で考え方が変わったものの一つです。
本日はその理由を少しお話します。
海外で日本語で話しかけられることについて
現在自分がスウェーデンにいると仮定してみます。「こんにちは!」と、日本語が母語でない人に、初対面で話しかけられたとしましょう。移民の多い国なので、相手の母語が何であるかを見極めるのは非常に難しいでしょう。しかしイントネーションで、少なくとも日本語ではないことはわかるものです。なのに何故その人物は、あなたに日本語で話しかけたのか?---理由の多くが、「親しみを見せるため」「仲良くなるため」「相手の文化に理解や興味があることを示すため」だと思います。
それらの理由が一様に悪い、というわけではないと思います。でもちょっと立ち止まって考えると、「日本語で話しかける」という行動の前に、「あなたが日本語を話す日本人であるという判断」、さらに言えば「スウェーデン語を理解できない人という判断」を相手が下しているということがわかります。では、初対面で、どうやって?答えは、外見、ではないでしょうか?
私はこれに対して、あまり良い印象を抱かないのです。特にスウェーデンという環境も作用してか、スーパーマーケットなどでも、大体、話しかけられるときはスウェーデン語。なぜなら「相手がスウェーデン語を話すかどうか」は、本来、見た目では判断がつかないからです。そんな中で、いきなり日本語ではなしかけられるとぎょっとするのです。英語ならまだわかります(学校では標準語が英語に設定されていましたし、そもそも話し手がスウェーデン語を使わない人である可能性も十分にあるからです)。でもアジア言語となると、持つ感想が少し変わってきます。
アジア言語、と広げたのにはわけがあります。上には「日本語で話しかけられる」ことを例にあげましたが、これはわかりやすくするために日本語を例にとったのであって、実はこのような例は、私自身そんなに多く経験していません。最も多いのは中国語、次いで韓国語。クラブや街中などで「ニーハオ!」「アニョハセヨ!」とやられると、またか、と思いました。特にその後で日本人であることがわかって、「私、日本人が好き!」「日本語教えて!」と続かれると結構嫌な気持ちになりました。自然に過ごしていて仲良くなるなら全く構わないのですが、初めから「日本人/アジア人であること」を理由に「仲良くなる」という形があまり好きではありませんでした。
私がこれに留意するようになったのは、「スウェーデンで中国語を使って話しかけられることが、見下されているようで嫌だ」と話す台湾の友人に出会ったからです。それまでは全く意識していませんでした。私は「嫌い」とまではいきませんが、やはりあまり良い印象は持たないな、という感じです。
同様に、日本で、日本語が母語かどうか判断がつかないなと思われる人に英語で話しかけることについても、良い感想は抱きません。 場所が日本なら、まずは日本語で話しかけるのが筋、というか、自然なんじゃないかなと思っています。
私の友人にも一人、このことで何度も嫌な思いをしている方がいます。国籍や外見による勝手な判断は無意識のことが多いので、話し手が気づかないうちに相手を傷つけていることもあるのではないでしょうか。