2024 年 7月 24 日
技術文書を高精度に翻訳する方法【法人向け】
グローバルビジネスの拡大に伴い、技術文書の精度の高い翻訳が企業にとってますます重要になっています。
本記事では、技術文書を高精度に翻訳するための方法や、誰でもできる実践的翻訳メソッドを紹介します。
【目次】
技術文書とは
技術文書は、製品やサービスに関する情報を正確に伝えるための資料です。操作マニュアル、仕様書、技術論文、現場での指示書などがこれに含まれます。専門用語や業界用語が多く、一般の読者にはわかりにくいこともあります。そのため、正確さとわかりやすい説明が求められます。特に、ユーザーが製品やサービスを理解しやすく使えるようにすることが重要です。
最近では、国内外に工場を持つ企業が増え、多言語での作業手順書が必要とされる場面が増えています。こうした多言語化された技術文書は、企業のグローバル展開に欠かせない要素となっており、その需要も年々高まっています。
技術文書を翻訳する方法とは?
技術文書の翻訳には、大きく3つの方法があります。
- プロの翻訳者や翻訳会社に外注する
- 社内のバイリンガルスタッフによる翻訳
- 翻訳ツールを利用する
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるので、翻訳の目的、予算、納期などを考慮して最適な方法を選択することが重要です。
1.プロの翻訳者や翻訳会社に外注
プロの翻訳者や翻訳会社に依頼することで、専門知識に基づいた正確で高品質な翻訳が期待できます。以下の点で特に優れています。
- 専門性と業界知識に基づく正確な翻訳: 専門分野の知識や業界特有の用語に精通しているため、誤訳や不自然な表現を抑え、正確な翻訳が可能です。
- 高い品質: 翻訳者による校正やレビューを経て納品されるため、高い品質の翻訳が期待できます。
高品質な翻訳が期待できる一方で、コストが高く、納期も長くなるというデメリットがあります。
2.社内のバイリンガルスタッフによる翻訳
社内のバイリンガルスタッフに翻訳を依頼すると、コストを抑えられます。
しかし、専門的な内容や業界用語に不慣れな場合、誤訳のリスクが高まります。また、業務負担が増えることで、他の仕事に支障が出ることも懸念されます。
3. 翻訳ツールを利用
(出典:自動翻訳大全)
近年、AI技術の進歩により、翻訳ツール(機械翻訳)の精度が大幅に向上し、大量の文書を迅速かつ低コストで処理できるようになりました。特に、定型的な表現が多い技術文書では、機械翻訳が高い精度を発揮することがあります。
しかし、機械翻訳には文脈やニュアンスの誤解による誤訳や不自然な表現が生じる可能性があり、専門性の高い内容や複雑な内容を含む文書の翻訳には課題が残ります。そのため、翻訳後には人による編集作業が必須となります。
技術翻訳の悩みを解決!機械翻訳と人手編集で効率化
前章では、翻訳後に必ず人の手による編集が必要であると説明しました。そこで、技術文書の翻訳には、『機械翻訳+人による編集』のハイブリッドアプローチが効果的です。
機械翻訳は迅速に大量の文書を処理する能力があり、コストも抑えられます。一方、人による翻訳前と翻訳後の文章の編集をすることで、翻訳のコスト削減とスピードアップを同時に実現できます。
誰でもできる!翻訳品質を劇的に向上させるための実践的メソッド
翻訳を行う際に、機械翻訳の精度を最大限に引き出すためには「原文を翻訳しやすくすること」が重要です。これを専門用語で『プリエディット』と言います。
プリエディットとは、機械翻訳をかける前に原文を修正し、翻訳しやすい状態にする作業のことです。このステップを取り入れることで、機械翻訳の品質が大幅に向上し、後で行う修正作業(ポストエディット)が楽になります。
日本語の修正なので、誰でも簡単に取り組むことができます。では、具体的にどうすれば良いのか見ていきましょう。
- 簡単でわかりやすい文章
誰もが理解できる簡単な言葉を使いましょう。難しい複雑な表現は避け、わかりやすい言葉に置き換えます。
また、文章はできるだけ短くし、必要な情報だけを盛り込みます。一文が長くなると、翻訳の際に理解が難しくなり誤訳が発生する恐れがあります。例えば、「このボタンを押して、次に表示される画面で必要な情報を入力してください」を「このボタンを押し、次の画面で情報を入力してください」と短く、簡潔にします。
- 表現の統一
文書内で使う用語や名称は統一しましょう。同じものを指す言葉が複数あると混乱を招きます。例えば、"Car"という言葉に対して、日本語訳では「車」と「自動車」を混ぜて使わずに、全ての文書内で「自動車」に統一すると分かりやすくなります。
- 「誰が何を」=明確な主体
主語や目的語を省略せず、誰が何をするのかをはっきりさせます。例えば、「このボタンを押すと、画面が切り替わります」ではなく、「ユーザーがこのボタンを押すと、画面が切り替わります」とすると、誰が何をするのかが明確になります。
プリエディットは、機械翻訳の精度を上げ、最終的な翻訳品質を向上させるための重要なステップです。難しいスキルは必要ありません。原文を直すだけで、誰でも簡単に取り組むことができます。
翻訳後の仕上げ編集で翻訳品質を更に高める方法
翻訳の品質を確保し、さらに向上させるために欠かせないプロセスが翻訳後の後編集です。これを「ポストエディット」と言います。
ポストエディットは、機械翻訳によって得られた翻訳結果を後から修正し、磨き上げる作業を指します。この工程を経ることで、機械翻訳の強みを最大限に活かしつつ、高品質な翻訳を実現することができます。以下が修正のポイントです。
- 機械翻訳による誤訳や不自然な表現の修正
機械翻訳は100%完璧な翻訳結果を出せません。時には誤訳や不自然な表現が含まれることがあります。ポストエディットでは、こうした誤りを訂正し、より自然で適切な表現に修正します。
また、翻訳文が原文の文脈やニュアンスを正確に反映しているかを確認し、意味が正確に伝わるように調整します。具体的には、意味が通じないフレーズや文法的なエラーを修正し、読者にとって分かりやすい文書に仕上げます。
- 専門用語の確認
技術文書には専門的な用語が多く含まれています。これらの用語が正確に翻訳され、用語の統一性が保たれていないと、読者に誤解を招く可能性があります。特に技術的な文脈では、誤訳が安全性に影響を及ぼすこともあります。
技術文書や業界特有の用語が含まれる場合、専門用語が正確に翻訳されているか確認し、文書全体の信頼性を向上させることが重要です。
また、翻訳前に専門用語の用語集を作成することで、用語の統一性を保ち、社内での一貫性を確保できます。
- 誤字脱字の確認
翻訳文に誤字や脱字が含まれていないかの確認も非常に重要です。これらのミスは翻訳の信頼性を損なう可能性があるため、注意深くチェックし、必要な修正を行います。文書全体を通して、文字や単語の間違いを目視で確認し、正確な表現に修正することで、翻訳後の文書の品質をさらに高めます。
正確性の確保
技術文書の翻訳において、正確性は最も重要です。技術文書には、製品の仕様や操作手順、技術的なデータなど、非常に専門的で詳細な情報が含まれています。そのため、翻訳において誤訳や不正確な情報が含まれると、使用者に誤解を招く可能性があり、最悪の場合、製品の安全性や機能に深刻な影響を及ぼすこともあります。翻訳者は、原文の内容を正確に反映させるために慎重に作業を行うことが求められます。
ポストエディットは翻訳の最終的な仕上げを行う重要なステップです。専門的なスキルが必要ですが、難しい場合は翻訳会社に依頼するのも一つの方法です。プロによる修正で、より高品質な翻訳が実現できます。
技術翻訳を効率化するAI機械翻訳「ヤラクゼン」
自動翻訳ツールを利用する際の一般的な課題の一つは、後編集のUIが整っていないことです。多くの無料翻訳ツールでは、翻訳後の文章と原文を行き来しながら誤りを探す必要があり、効率が悪く時間がかかります。細かなニュアンスや文法的なミスも見逃しやすく、特に英語が苦手な担当者には修正が困難です。高品質な翻訳を実現するためには、編集のしやすさが重要です。
このような課題を解決するのが、AI自動翻訳プラットフォーム「ヤラクゼン」です。ヤラクゼンは、従来の自動翻訳ツールにはない編集機能を備え、技術文書の翻訳業務を大幅に改善します。
①チェックアシスタント機能
ヤラクゼンは、翻訳前後の文章を同じ画面で並べて表示できるため、簡単に比較しながら編集できます。このUIにより、誤訳や不自然な表現を素早く見つけることができ、編集作業の効率が大幅に向上します。
また、ヤラクゼンにはチェックアシスタント機能が搭載されており、英語に不安のある方でも誤りを簡単に発見できるよう、修正が必要な部分が色別で表示されます。AIが自動的に問題箇所をハイライトし、修正ポイントを明示するため、翻訳に不慣れな人でもスムーズに修正作業が可能です。この機能により、誰でも高品質な翻訳を実現できます。
②用語集・フレーズ集機能
ヤラクゼンには、技術文書の翻訳精度を向上させる用語登録機能が備わっています。特定の用語やフレーズを用語集に追加すると、翻訳時に指定された翻訳が自動的に適用され、社内用語の統一が保たれます。
特に専門性の高い分野では、一般的な自動翻訳ツールでは正確な翻訳が難しいことがありますが、ヤラクゼンの用語集機能を活用することで、専門用語や固有名詞を正確に翻訳することができます。用語やフレーズの登録が簡単で、一度設定すれば次回以降は自動的に学習済みの用語が反映され、効率的な翻訳が可能です。
③部分的に翻訳会社への発注
翻訳後の修正の際に、すべてを自分で編集するのは大変な作業です。そんな時には、翻訳会社に部分的な翻訳を依頼することで、作業の効率化が図れます。
ヤラクゼンでは、翻訳画面から直接翻訳会社に発注できるため、手間が省け、スムーズに作業を進められます。さらに、翻訳会社から納品されたデータをヤラクゼンに学習させ反映させることで、次回以降の翻訳がさらに効率化されます。
④複数の翻訳エンジン・全35言語対応可能
ヤラクゼンの大きな特徴は、複数の翻訳エンジンを一つのプラットフォームで自由に使い分けられることです。2024年4月に導入されたChatGPTをはじめ、Google翻訳、Microsoft Translator、Papago、Yaraku(ベータ版)など、さらに「みんなの自動翻訳@KI」もオプションで利用可能です。これらの翻訳エンジンはそれぞれ異なる得意分野を持ち、用途に応じて最適なエンジンを選ぶことで、非常に高品質な技術翻訳が実現します。
また、ヤラクゼンは全35言語に対応しており、各翻訳エンジンの特性を活かして多言語の技術文書にも対応可能です。(対応言語一覧:https://www.yarakuzen.com/supported-languages/)
セキュリティ対策は大丈夫ですか?
技術文書の翻訳ではセキュリティが最優先です。無料の翻訳ツールでは、翻訳されたテキストが再利用されるリスクがあり、機密情報が漏洩する可能性があります。特に企業の内部文書や重要な技術文書では、翻訳ツールのセキュリティ対策が不可欠です。
ヤラクゼンのカンパニープランでは、翻訳にかけた文章を二次利用することはありません。
安心して技術文書を翻訳できるヤラクゼンの2週間無料トライアルをぜひご利用ください。
トライアル後に自動的に有料プランに移行することはありません。詳細は無料トライアルページをご覧ください。
この記事の執筆者:Yaraku ライティングチーム
翻訳者や自動翻訳研究者、マーケターなどの多種多様な専門分野を持つライターで構成されています。各自の得意分野を「翻訳」のテーマの中に混ぜ合わせ、有益な情報発信に努めています。