2016 年 1月 16 日
【コラム】欧米人にとって、中国語と日本語のどちらが難しい
今回は、欧米人にとって、中国語と日本語のどちらが難しいかについて書きたいと思います。
最初は少し自己紹介をさせていただきます。私が日本に惹かれたのは、15歳の頃です。高校生の時、日本に留学しようと思いました。しかし、日本は留学地として人気が非常に高く、また倍率も高く、日本に来られませんでした。
漢字に興味を持ってましたし、欧米と全く違う環境を味わいたかったですし、日本の代わりに中国の深圳市で一年を過ごしました。母国のエストニアに帰り、大学に入ると、両方を勉強する機会があり、両方の授業を取りました。その後さらに大学院では、日本研究と言う専攻を勉強し、様々な漢字文化圏の人と会ったり、中国語と日本語と関係ある仕事をしたりしました。
両方を勉強していると言ったら、びっくりする人が多いです。そして、その直後一番よく聞かれる質問は、「どっちの方が難しい?」です。
私は、中国語の方が先になんとなくコミュニケーション取れるレベルに達しました。そして、本格的に日本語の勉強に力を入れた際、最初の数年間は、意外と簡単だなと思いました。しかし、勉強すればするほど、日本語の方が断然難しい言語に思えてきました。
理由が主に四つあります。
1.読み方の多さ
中国語は漢字の総数が日本語より多いです。しかし、中国語の漢字は殆ど全部、読み方が一つしかありません。日本語の漢字は、読み方が多くて、学習者がかなり 困ります。「市場」は「いちば」、「しじょう」と読めばいいか、「上」はどう読めばいいかとか、日本語で本を読もうとしている外国人にとって、日常悩みで しょう。
2.文法
日本語の文法の方が難しいです。中国語の文法は、文法がないと思われるほど簡単です。
好きな例として、「私がバカだと言う事ではなく、私の犬が賢いと言う事です」と言う意味を伝えたかったら、中国語は「不是我笨,是我狗聪明」になります。構造を見たら、非常に簡単です。文字通りに英語に変えたら、「No is me stupid, is me dog smart.」と言うようになります。本物の英語では「It’s not that I’m stupid, it’s just that my dog is smart.」とかのように、もっと複雑に言わなければいけません。一般的に言ったら、中国語の基本文法はシンプルで、直観的に理解やすいです。
日本語の文法は比べられないほど難しいです。例えば、動詞は文の一番最後に置くという事が特別で、動詞と形容詞の変わり方も特別です。動詞と形容詞を正しく否定形と過去形にする事に苦しみました。授業を取っていた時、「暖かくなかった」みたいな長い言葉は怖かったです。「は」と「が」を区別する事にも、長期間悩みました。
3.発音
発音に関しては、John Pasdenと言うアメリカ人の言語学者が書いた通り、日本語と中国語の学習曲線は逆です。日本語を使って、「お寿司食べますか」と「忍者はどこですか」等を日本人が分かるように言い出すのが誰でも出来そうです。これに反して、中国語の場合、母国で数年間勉強した事があるのに、中国人に通用できない欧米人が多いです。
中国語は四つの声調だけではなく、発音し難しい子音も多いです。ピン音で言えば、学習者によって、zhu, ju, qu, chu, shu, xu等のような音を正しく区別するのが大変です。
しかし、努力して習得できるようになったら、かなりネイティブに近い発音で話すようになれると思います。
逆に日本語の発音には、勉強すればするほど、文字に伝わらない微妙なニュアンスが多く見つかります。私は欧米出身の中国語を話す知り合いと日本語を話す知り合いが両方おり、後者の発音の方が断じて、日本人が話す日本語とかけ離れています。
4.場合によって変わる話し方
正しく接客したり、目上の人と話したりするために、尊敬語、謙譲語と丁寧語。
男らしく話したい場合、男性語。女らしく話したい場合、女性語。
映画やドラマ、小説とかに出ている人物の言葉を理解したかったら、役割語。
自分と相手の身分の高さの差と、相手にどんな印象を残したいか等、様々な条件によって、言葉の使い方が変わります。例えば、日本語では自分を指す言葉と他人を指す言葉が、欧米人がびっくりするほど多いです。
日本語はその特徴で有名です。私も、勉強し始めた時から、日本語は日本文化と日本社会に深く根づいていると感じた事が数え切れないほどありました。やはり非常に難しいと感じつつ、いつももっと勉強したくなります。これからも、もっと流暢に話したり、スラングから敬語まで理解できるように頑張ります。